【3分】
そういえば、
以前夜の中心地とは少し外れた場所のラウンジでアルバイトをしていた時。
終電を逃して働く女の子の為に系列店舗専属の送りのおじさんがいた。
私はこの業界だからこそ、裏方さんにも誰に対しても仕事時間外であっても、なるべく親しみやすく接そうと思っていた。(すっかりオフモードでクールなお姉様方もよくいる)(正直威圧感怖い)
そのおじさんとも徐々に仲良くなった。
めちゃくちゃ口は不器用なおじさんだった。
野球がお互い好きでよく話した。
今日も阪神あかんかったの とか
お前ェ野球好きなんやったら金掛けんかい
とか謎に怒られた。
賭博やで、おっちゃん。
出勤少ないと、お前何しとってんとか言われる。
ぐちゃぐちゃ取り留めのないことを言いながら
帰るあの時間は結構好きだった。
そういえば辞めてたタバコもそのおっちゃんにそそのかされて、送りの車の中でだけ吸うようになった。なぜかそれ以外のタイミングでは吸いたいと思わなかったな。
初めての送りで、お前タバコ吸わんのか?がきっかけで、おっちゃんが吸ってる銘柄が私が以前吸ってたもの同じだった。
そして、そのおじさんには毎度
おい、べっぴん
と呼ばれていた。
口は不器用やけど、
その言い方がめちゃくちゃ好きやった。
どれだけネタでも酷い言い様はやっぱり傷ついたりする。
不器用でも褒め言葉はやっぱり嬉しい。